|
そこに革命をもたらしたのがライオンコーヒーでした。Mr,Warrenは、自社コーヒーの卓越さのシンボルとして百獣の王ライオンをトレードマークにすることに決め、世界から最高の豆だけを集め、"Fancy
Roasting"(ファンシーロースト:香り豊かで滑らかなコーヒーの風味になるまで念入りにブレンド・焙煎するライオンコーヒー独自の焙煎)を施したコーヒー豆の販売を開始しました。
品質に対する深いこだわりはオハイオ州にライオンコーヒーありと言わしめるまでになりました。
1870年代になるとMr,Warrenは財政難に陥ってしまった自らの会社を、オハイオ州の名士にして”製造と販売の神様”と評判の高かったAlvin
Mansfield Woolsonに売却しました。会社を譲り受けたMr,Woolsonは、社名をWoolson Spice Companyと改め、ライオンコーヒーを大きく改革していきました。逸早く画期的な密封パッケージを採用、新鮮な味と香りそして衛生的なコーヒーの販売を実現しました。その高い品質は、印象的なライオンマークのパッケージと共に瞬く間に評判となったのです。品質と共にもう一つ評判になったのが、コーヒーのパッケージについているライオンマークを集めると紙人形やカード、楽譜といった景品と交換するという当時としてはユニークなサービスでした。
そして、品質に楽しさを加えたライオンコーヒーは1890年代には1週間に100万ポンドの豆をローストする世界第2位のコーヒーメーカーへと成長を遂げ、その後数十年にわたり広く愛好されていきました。
しかし、20世紀に入りしばらくすると、ライオンに異変が起こります。再度の企業買収、業界内部者の企みなどにより、会社は破産に追い込まれ、大半の資金と設備を手放す事態となり、ライオンの名は表舞台から姿を消してしまうことになったのです。
|